ホントに気が滅入る『バネ指・弾発指』

整体

ふつうに指を曲げようとするとパチンって跳ねるようにひっかっかって痛い!

今日はそんなイヤらしい痛みを引き起こす『バネ指・弾発指』についてのお話です。

 

 

親指の痛み「ドゲルバン症候群」のブログでも書きましたが、バネ指も腱鞘炎の一種というか発展系というか、腱鞘炎が悪化してしまった状態です。

ドゲルバン症候群・洗濯婦のねんざ

 

女性の方がより多くかかり、更年期時期に発症しやすく、育児期に多発するというのは腱鞘炎全体において共通しています。

また基本的に手の使いすぎで起こるので、スポーツをやる人、われわれ整体師や調理師や美容師さんのように指を酷使する職業の人、そして基礎疾患として糖尿病患者、リウマチ、と透析をしている人などが発症しやすいと言われています。

 

バネ指・弾発指というのは指を動かす腱が疲労性の炎症から肥厚状態となり、靭帯性腱鞘という硬いトンネルを通過する時に詰まり〜指を曲げる圧が一定以上かかってトンネルをくぐる時にパチン!と痛みを伴いながら跳ねるように通過する(指が曲がる)ことからついた、まさにそのままの名称です。

 

指を痛めてしまうと良くわかりますが、日常生活で思いのほか指って使うんです。特に利き腕の指を痛めるとかなり生活に支障をきたします。

発症部位は親指、中指、薬指の順で多く痛みが出るのですが、どこが痛くても嫌ですが親指が一番影響があるかな。

ドゲルバン症候群も親指の痛みですが痛む部位は付け根の外側。バネ指の場合は指の内側の関節のところというはっきりとした違いがあります。

(画像は日本整形外科学会HPより転載)

ではどうやって治すかと言いますと、使い過ぎから炎症が起きているわけですので治すには「使わない」ことが前提となります。しかしなかなか指を使わないのは難しい、けど極力使わないことを心がける。そのための固定するサポーターなどがありますが邪魔で買ってもすぐに使わなくなるようです(当社情報)。

 

指に限らず体に起こった炎症はどんな手段を使ってもいち早く鎮静化していく必要があります。何故でしょうか?炎症は癒着や繊維化などの組織変性を引き起こすからです。一度変性した組織は残念だけど元に戻らない。現代においては自然療法家が好む炎症が起こっても自然治癒を待つことはすでに時代錯誤です。

 

腱鞘炎・弾発指が起きた初期の段階で消炎鎮痛剤などを用いていち早く抗炎症対策をすることが望ましい。ですが腱鞘炎を引き起こした体に生じている根本的な原因をリセットしていく必要もある。

 

その体に引き起こされた腱鞘炎を引き起こす根本的な原因というのは、中胸背部の後弯により頭位の前方変位〜肩甲骨の上外転を引き起こし、上腕骨の内旋〜肘関節の屈曲内旋〜手関節の底内屈です。そしてその先の指に炎症が生じていく。

 

上記の骨構造の歪みに伴い、胸鎖乳突筋の短縮、肩甲骨間の筋肉の伸長、大胸筋〜小胸筋の緊張、上腕二頭筋〜上腕筋の緊張、指まで流れている前腕屈筋の緊張があります。

 

この骨格と筋肉の歪みにより指先まで流れている詰まりを解消しないといくら消炎鎮痛剤を用いても何度でも炎症〜痛みは繰り返すことになります。

 

内服の消炎鎮痛剤が効いている状態で動かし続けると、必ず炎症は悪化して薬が効かなくなってきます。というか2〜3日飲んでも治らない、あるいは飲んでも痛い!となるとステロイド注射の適応となります。これはめちゃくちゃ消炎効果が高いからきっと打ってからすぐに数週間から数ヶ月は痛みがなくなります(ステロイド効きすぎてヤバイ)。しかし上記の歪みを正さない限り痛みの根治は望み薄く再び痛みが襲ってくる。そしてその次には手術が待っています、というか手術が必要な状態まで悪化させてしまいましたね!というレベルです。

 

骨格と筋肉の歪みのリセットは病気ではない、イコール医学ではないので病院で処置はしてくれません。

 

そうです、これこそが整体の本分なのです。

 

昔は整体でガンも治る!とか言うトンデモないこと言い出す人がいましたし、今もホントにやめてくれ!って感じの整体師多いですが、日々の生活の癖の集積で生じた運動器系(骨格と筋肉)のリセットワークってものすごく大切だし実に多くの部分で皆様の健康維持のお役に立てる素晴らしいものなのです。

 

整体本当にサイコーですよ。病名がつくような状態になる前に整体で骨格と筋肉のリセットワークをして体内環境を整えていく。その上で自ら体を動かし、食事を見直し、充分に休息を取るようにして生活習慣を改める。それでもダメなら腕のいい医師を見つけて最先端の医学のお世話になる。こことても大切です。

『自然治癒力を超えたところに医学がある。医療のお世話になる前に日々自らの健康に目を向けるべし。』

これですよこれ。

 

それでは本日のブログのまとめです。

 

『腱鞘炎〜バネ指・弾発指はできるだけ早期に炎症を抑えろ!そして骨格と筋肉に生じた歪みを正しなさい。』

 

以上です。

 

次の整体ブログはテニス肘についてです。

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