免疫の暴走を止めろ!

健康

「免疫」とググると、1番目に高める、2番目にアップ、と出てきます。コロナ禍においてもいかに免疫を高めていくことが大切であるか!という至極真っ当な意見が飛び交ってます。

しかしちょっと待ってください。私たち先進国の住民において気をつけなくてはいけないことは、免疫を高めていくのではなく、いかに「免疫の暴走」を食い止め、歯止めをかけるか!というのが今日のお話です。

免疫の要は腸にあることは広く知れ渡っております。そうです、我々の腸内に住むマイクロバイオータと呼ばれる腸内細菌が免疫細胞と絶妙なコラボレーションを取りながら体内に侵入した外敵=非自己をやつけるか、その性能を免疫の力、イコール免疫力を呼んでいます。

インフルエンザのウィルスやコロナのウィルス、また季節性の風邪のウィルスが体内に侵入してもこの免疫力の働きにより体内でも増殖を許さずに発症を免れている。実にありがたくも頼もしい奴等です。

しかし現代社会において驚異的な問題となっているのが、本来この外敵に立ち向かう免疫の暴走です。免疫の暴走とは本来、非自己=自分では無いものが侵入してきたときに攻撃して無力化を行うべく免疫兵士たちが、異常なシグナルを発し、異常増殖して、敵ではなく自らの体を攻撃して破壊してしまう、いわゆる「自己免疫疾患」と呼ばれる病態が多発していることです。

身近にある自己免疫疾患の代表的なものはアレルギーと喘息では無いでしょうか。いまでは子供の4割、大人の3割がなんらかのアレルギーを抱えていると言われております。私もブタクサとか檜の花粉に反応して鼻炎を引き起こしますから免疫がバグっているのでしょう。

このアレルギーをはじめとする自己免疫疾患は辺境の国では発症がなく、途上国で発生が高まり、先進国では国民の7割以上がなんらかのアレルギー反応を発症していると言われています。また時系列的に見ると、1940年ごろまではアレルギーの存在はごく稀であり、1950年ごろを境に増え始め、先進諸国では1990年半ばで数字の伸び率が頭打ちになったらしく、これは何を示しているかというと、DNA的にアレルギー因子を持つ個体は全てアレルギー反応を発してしまった、ということを意味しているらしいのです。これヤバイでしょう。現代ではもはやなる人はすでに全員なっちゃっているよ!ってことです。

そのほかにも1型糖尿病、関節リウマチ、唾液や涙の分泌が阻害されるシェーグレン症候群、橋本病、バセドウ病、多発性筋膜炎など身近にある難病と言われるもののほとんどが自分の免疫の暴走により身体システムを破壊して発病している自己免疫性疾患なのです。これ自己の生存に関わる大問題です。

ではこれらの免疫の暴走はなぜ引き起こされるのか?そこにはやはり腸内細菌の存在があります。この腸内細菌は約100種類、100兆個が共存しています。最新の医学ではその中のクロストリジウム菌という細菌の数が少ないとどうやら免疫の暴走が引き起こされるところまでわかってきたらしいのです。というか自己免疫疾患に陥る人はこのクロストリジウム菌の数が少ないらしい。

このクロストリジウム菌はTレグと呼ばれる免疫の中でも特殊な働きをする細胞に伝達物質を送ることで免疫の暴走にブレーキをかけている。このTレグは免疫の世界的建機である大阪大学免疫フロンティア研究所教授・坂口志文博士が発見したノーベル賞級の物質らしい。

クロストリジウム菌の発した物質を受け取ったTレグ → 暴走した免疫細胞に対して抑制する物質を放出する → その結果、自己の組織を破壊している免疫細胞が鎮静化される → 自己免疫疾患と呼ばれる病態の消失

 

このような機序を経て自己組織破壊に待ったがかかる。すごくないですか?菌。

 

ではこのクロストリジウム菌を始め腸内細菌の環境が劣悪化されていく要因はなにか?大きく2つあります。それは抗生物質による腸内細菌の無差別攻撃。これは痛し痒しですが、くれぐれも風邪などのウィルス疾患で抗生物質などは服用しないこと。これってなんなの?ってよく思うのが、風邪ひいたから医者に行くと平気で抗生物質を処方する医師とありがたがって処方される患者たちの不思議。これって医師が医学を受けた年代差があるらしく若い医師や常に学会に出席してブラッシュアップしている医師は風邪で抗生物質など処方しない。ここ重要です。一度開業してしまえば勉強しなくなる医師とても多いそうです(業界内のお話)。医療は凄まじく日進月歩をしているので勉強を止めてしまうすぐに過去の人になってしまう。患者としてかかる医師を選ぶこととても重要。とともにわれわれ患者も勉強すべし!

そしてもう一つが食物繊維の多い食事の大切さ。よく聞く食の欧米化とは食物繊維の含有量が少なく脂質の多い食事、これ様々な病気の発言リスク高いし!食物繊維の多い食事イコール健康食、日本の伝統食とかね。それらとはまず全粒穀物が多いこと。そして海藻類とキノコ類。これらを発酵性食品とともに毎食食べる。

僕たちの体内ではミクロの世界で壮大な活動が行われている。その活動を恙無く、健やかに運営していこうというのが健康法。健康度を高めていくには、食事、運動、休息の3つプラス メンタルマネジメントに環境整備の5項目を見直す。これは毎日の生活の見直しに他ならないです。

 

話がだらだらとまとまらないのでこの辺で今日のブログのまとめです。

 

『自分の免疫の暴走を止めよ!そのためには食物繊維、発酵性食品を意識的に取る。そして無用の抗生物質や過度の除菌は控える』

 

以上です。

 

次の健康ブログは体内ネットワークについてかな。脳を返さずに臓器同士が情報交換し合っているなんてメチャクチャ面白く無いですか!

 

 

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