よくお尻の部分に痛みがあり、「股関節が痛い」と来院される方がいますが、多くの場合、これは坐骨神経痛系の痛みです。
股関節の痛みは鼠蹊部と呼ばれる足つ付け根部分に、足を内側に倒したり腿をあげたりするときに痛みや引っ掛かりが生じます。
そして、股関節が悪いのか否かの自己判断は、仰向けに寝て足首を揃えて立てたときに、痛みのある側の親指が短いこと。
また、踵の位置も痛みのある側が短くなっていることが股関節に問題がある場合の一応の判断点になります。
その股関節の痛みのほとんどは、原因が生まれつきというか幼少期に形成されて、中年期以降、筋力の弱りと軟骨の摩耗に伴い症状が現れてくるパターンが多いですね。
それまでの生活習慣での軟部組織における痛みの形成の機序もあると思うし、突発的に血流が阻害されて骨頭が壊死を起こしたり、関節唇が微細粉砕して痛みが出たりすることもありますが、まあまあほとんどが大腿骨頭の受け皿である骨盤の臼蓋部分の前側が薄い構造を持ち合わて、ハマりが良くないまま動き続けた結果の病状です。
ではどうすればいいのか?という話しですが、関節は不可逆性なので治療を始めた時点から、1mmも進ませないことをまずは念頭に置いておくことが大切です。筋肉は修復されますが、一度伸びた靭帯や関節内の構造は壊れると治らないんですよね。。機械みたいに変えることが出来ればどんなに楽なことか。
しかし、同じく股関節に痛みが生じているケースでも、関節以外の部分が痛みの誘発点となることもままあります。
それはお尻の奥の方にある筋肉の強張りから来ていたり、座って膝を持ち上げる筋肉がうまく伸び縮みできなかったり、腿の横ラインを走っている筋肉が硬くなったり、骨盤とか足首のアライメントが狂った末に足の付け根に痛みが出ているケースです。
これらは整体でビシッと痛みをなくすことができます。
ではその場合のセルフケアは?と言いますと、テニスボールやフォームローラーなどでお尻と腿の前面、外側、後面の筋肉を毎日念入りにほぐすことでかなりの効果があります。
股関節を動かす筋肉はいずれも分厚く、強く、質量も大きなため自分でほぐすのはけっこうがんばりが必要です。
充分にほぐれて楽になったなとおもっても、歩いているとすぐにこわばってきます。
メゲずに、自分なりに楽にほぐす方法を考えてみてください。
また関節に負荷のかからない筋肉運動が必ず必要になります。
そして関節自体に何か問題があれば、出来れば人工関節置換手術に向かわないように日頃の自助努力も必要となります。
恐怖心があるかもしれませんが自分だけで悩まずに専門家に相談してください。そしてもう無理だと思うのなら躊躇わずに人工関節置換手術を受けること。腕のいい専門医の先生に手術していただけば予後はかなり良好となるケースが多いですよ。
それでは今日のブログのまとめです。
『股関節の痛みはできるだけ早めに専門医の門を叩き正確な診断を仰ぐべし!そして保存療法が可能であれば腕の良いセラピストにかかり日々のケアを怠らないこと!』
以上です。
次の整体ブログは「親指の痛み・ドゲルバン症候群」です。