『慢性腰痛症』を引き起こす原因「不安・恐怖・怒り」

整体

僕が整体を勉強するきっかけは大学3年の時に体験した腰痛でした。大学3年生といえば20歳、人生で一番イキのいいころですよ。腰痛なんてお爺ちゃんやお婆ちゃんがなるもの、くらいの認識しかありませんでしたがいきなりやってきたギックリ腰!身動き取れませんでしたw

ということで今日は腰痛のお話。数ある腰痛の中で慢性腰痛について書いてみます。

3ヶ月以上、断続的に続く腰痛を慢性腰痛と呼び、いきなりくる急性腰痛症と一応の線引きがされています。

急性腰痛症にも様々な種類というかケースがあり、脊髄を損傷してしまったり、椎間板が著しくクラッシュしたり、骨が折れたりひび割れたりする重篤なケースは除外して、非特異性腰痛〜俗にいうギックリ腰と呼ばれる腰部捻挫、これにも靭帯が伸びたり、筋肉が炎症を起こしたり、関節がずれたりするいくつかのケースがありますが、まぁ普通の腰痛症とでも言いますか、たとえ痛みが強く寝返り一つ打てない、トイレに行くのに30分かかった、としても組織的には重篤な損傷が及んでいない一般的な腰痛症の場合、3日寝ていれば痛みはかなり軽減されるし、1月も経てばほぼ回復傾向に向かっていきます。

ですがここからぐずぐずと痛みが取れずに慢性腰痛に移行していくケースが3〜4割ほどあります。結構な数字ですよね30%以上の人が慢性的な腰痛症に移行して行くのって。その中にはさしたる原因がないのに腰が痛くなるケースもままあります。

そのような慢性腰痛に移行していく人の根本的な原因、あるいはその人のバックボーンには心因的な要因が隠れているということが、たしか福島県立医科大学の研究で明らかになって久しく立ちます。

「えーっ、そんなことはない。私は元気だし、ただ単に物を持ち上げる時にギックリ腰になって、それが治らないだけ。今まで何軒も医者や鍼灸や整体に通ったけど治らない!自分に合う治療法がわからないだけ。」なんてこと言うクライアントさん確かにいます。これはですね、痛みがある一定時間以上続くと脳が過敏状態となり、身体中に痛みの物質を過剰放出してとにかく痛い!と半ば幻想的に痛みに囚われていきます。全く痛くない時間もあるんですが、ちょっと痛むと「あ〜やっぱり痛い!」って。脳の過敏は痛みの他にもかゆみや痺れなども引き起こす厄介なものです。

しかし心因性と言ってもこういうケースの痛みは比較的治しやすい。信頼出来る治療家の先生と巡り合えると急激に回復傾向に進んでいきます。

ですが同じ心因性の腰痛と言っても厄介なのが、幼少期に受けた不安や恐怖などのトラウマを心の根底に抱えていたり、微弱ストレスと呼ばれる長年の継続的な不安や恐怖や怒りがあり、あるいは強いストレス状態に置かれたりして、それが痛みのシグナルとして腰の機能障害を引き起こしているケースです。これはマジに厄介です。言葉を変えれば腰痛を錦の御旗、いわば防御塀として生きてしまっている、しかもここで厄介なのが自分では無意識なのに脳〜身体がこのような選択を選んでしまっているからです。

この場合にはどうなのか?いくつかの大学病院では整形外科と心療内科が手を結びながら治療にあたるという方法がとられています。でもですね〜これに該当するだろうなというケースはまま目にしますね。

では整体ではどうなのか?このケースかなりお役に立てます。腰痛に限ったことではないですが、痛みが慢性領域に移行し、時間的経過が過ぎるほど生体エネルギーの低下、イコール治癒力の低下を招きます。たとえ本来であれば痛みが手放せる状態に置かれたとしても治癒力の低下があれば事はそう簡単には進みません。この生体エネルギーを高めて治癒力をアップさせていくのは整体の十八番です。また整体をはじめとした代替療法ではクライアントと施術者の信頼関係がとても高いレベルで成り立っているという特性があります。この関係性が心因的な問題の解決に大きく役立っていると思うのです。

そして不安、恐怖、怒りなどの大脳辺縁系由来の原始的な感情は体の腹腔内の後壁あたりに緊張として現れると私が創始した自然手技療法では考えており、腰痛なんだけどお腹の施術をされて腰が楽になった、という経験をお持ちのうちに通われているクライアントさん結構いると思いますが、腰が痛い!って来院してお腹をリリースされたというのは体に反映されたエモーショナルのリリースを行っている時なんですね。

身体が歪むというのはよくない姿勢を取り続けたり無理をして筋肉が緊張した時ばかりではなくて、胃が悪くなれば背中が張るし、生理で子宮が収縮すれば腰が痛くなるし、内臓の状態も体に反応する。そして喜怒哀楽恐怖などの情緒も体にしっかりと反映される。子供の時から現在まで時間軸はまったく関係なしに。この喜怒哀楽恐怖などの情緒の乱れが反映された体にリセットワークが出来るのは自然手技療法のもとも得意とする技法の一つです。言ってみれば得意中の得意!

オステオパシーの頭蓋仙骨療法に「体性感情解放」というテクニックがあるのですが、私たちはストレス状態になると一番外側の大きな筋肉を緊張させて防御ブロックします。その緊張が時間と共にミドルレベルの筋肉に、そして長い時間と共に体の深部にある細かい筋肉へと移り変わっていきます。表面的な筋緊張が緩み、受けたストレスの記憶が薄れていくのと同時に深い深部筋の緊張へと移り変わっていくのです。深部筋の緊張は同じく深部に張り巡らされている自律神経や血管などに影響を及ぼしていきます。それが原因不明の腰痛を始め形を変えて様々な不調が引き起こされる原因となるのです。その深部筋肉の緊張をリリースしていきましょうというのが「体性感情解放」というテクニックです。すごいでしょ!リリースが決まると施術後に訳もなく涙が出てきたり、号泣したりする。泣きはしないでもハァ〜ってとても深いため息が何度も続いて虚脱感マックスになっちゃう。年に2〜3人いますこんなクライアントさん。こうやって見ていくと体って本当に面白い。体が一つのメモリアル組織として機能しているみたいです。

 

それでは本日のブログのまとめです。

 

『慢性期に移行した腰痛は体に反映された情動の歪みである。速やかに自然手技療法により体の記憶をリリースすべし!』

 

以上です。

 

次の整体ブログは「ポッコリお腹の治し方」です。

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